「ネットをしていると人はバカになる」って本当?
ライフハッカー編集部さま
ここ数年、インターネットがあらゆる方法で人間の脳をダメにしているという話をよく聞きます。ネットが原因で「頭が悪くなったり」「おかしくなったり」「集中力がなくなったり」するのは本当なのでしょうか?
気になるインターネットより
気になるインターネットさん
いろいろな情報を見ていたら、どれも本当のように思えて被害妄想に陥りそうですよね。インターネットが人間に与える影響に関する研究はまだそこまで進んでいません。しかし、すでに分かっていることもいくつかあります。質問にある3つの問題に対して、1つずつお答えしていきましょう。
頭が悪くなる?
2010年にテック系コラムニストのNick Carrさんが「Googleで人間は馬鹿になるか?」という質問を、米誌「The Atlantic」で投げかけていました。以降、この手の話題が議論されるようになりました。ちなみに、Carrさんは自身の著書『ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること』でも同じ内容について語っています。
彼の基本的な考え方は、インターネットは脳の考え方を変えるというものです。もちろん、人間は自分自身で考え方を変えるのですが、インターネットは、「考え方の変え方」に影響を与えているはずだと言っています。それは必ずしも悪いことではありません。一部の人騒がせな人たちが、インターネットが人間の記憶力を低下させたと言うことがありますが、それについて米誌「Wired」でJonah Lehrerさんが以下のように言っています。
いわゆる交換記憶(transactive memory)の利点として、事実確認をして自己中心的な考え方に陥っていないかをチェックするというのがあります。自分の記憶を共有したり、比較したりすることで、他にも一般的な事実があるか確かめることができ、思い込みに囚われることがなくなります。
そういう意味では、あてにならない人間の脳を信じるよりも、直感的にGoogleの情報が欲しいと思うことは、健全な衝動だといえます。実際、Googleに私の間違った記憶を正してもらったことは数えきれないほどあります。このことが、テクノロジーが人間の脳をダメにしている兆候だとは思いません。むしろ人間は、自分が得意としない能力をアウトソースするくらい賢いということを証明していると思います。