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1080HDのデジタルシネマカメラが¥101,800! 業界騒然のBlackmagic Design「Blackmagic Pocket Cinema Camera」

YouTubeやVimeoによって720や1080のHD動画が当たり前の存在になった今、それらを撮影する機材の進化に拍車がかかっている。高画質の動画の撮影のためのデジタルシネマカメラと呼ばれるジャンルで注目の新製品が登場した。

 

Blackmagic Designならではのシンプルで美しいデザインはアルミニウム合金製フレームでタフさも兼ね備える。大きさ的にはまさにマイクロフォーザーズのミラーレス一眼かそれよりもコンパクト。サイズは128×38×66mm、重量355g。センサーサイズ12.48mmx7.02mm、解像度1920x1080、フォーマットはLossless CinemaDNG RAW and Apple ProRes 422(HQ) at 1920x1080、フレームレート23.98p、24p、25p、29.97p、30p。7月発売予定。¥101,800〈Blackmagic/Blackmagic Design tel.03-5295-5661〉


一昔前までHD動画といえば、プロがプロの機材を使って撮影するものだった。なぜならそれようのデジタルシネマカメラは数百万円レベルの代物で、おいそれと購入できるものではなかったからだ。例えば2008年に公開された『チェ 28歳の革命』『39歳 別れの手紙』は昔のフィルムで撮ったような質感になっているが、あれはボディのみで数百万円するアメリカのRED社のデジタルシネマカメラで撮影されたものだ。

そもそも同じデジタルの1080HDでも、一般のコンパクトデジカメで撮れるHD動画とプロ用のデジタルシネマカメラと呼ばれる機材では映像のクオリティはまったくの別物。

そもそもデジタルシネマカメラというのは23.98、24、25、29.97、30fps(つまり1秒あたり30枚)のデジタル映像を記録するというのもの。つまり静止画を1秒あたり30枚連写し、それを連続して再生することで動画に見えるようにしているわけだ。かつて活動写真と呼ばれていた映画がフィルムに1コマ1コマ焼き付けていたのと同じようなデータの構造になっているのが、これらプロ用の機材であり“ビデオカメラ”ではなく、“デジタルシネマカメラ”と呼ばれるゆえんである。

そして、こうしたデータ構造とすることで、デジタル写真(静止画)と同様に色味や質感を自在に変えることができるようになり、前述の映画のように味のある映像とすることができるのだ。

今回発表されたBlackmagic Designのデジタルシネマカメラ「Blackmagic Pocket Cinema Camera」は、そんなデジタルシネマカメラであるにも関わらず、なんと¥101,800という驚異的な低価格を実現した画期的なモデル。しかも価格のみならず、レンズマウントにアマチュアに普及しているミラーレス一眼の規格であるマイクロフォーザース規格を採用しているため、低価格で流通量とバリエーションの多いマイクロフォーザーズレンズをそのまま利用できるのだ。
 
http://gqjapan.jp/2013/04/12/w_blackmagic-pocket-cinema-camera/