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日活撮影所で「嵐を呼ぶ男」のメイキング見学が19歳の映像修業の初体験でした。

動画広告のサイズは大きい方がいい?長さは?米国調査レポートから見る動画広告パフォーマンス

2013年8月、米国で動画広告に関するレポート「Video Insights Report」が発表されました。

今回の調査では、動画広告を配信するプレイヤーのサイズや動画尺の違いがCTRに大きな影響をもたらすことや、配信プレイヤーが大きいほど長く視聴されることなどが明らかになりました。そのパフォーマンスの違いについてご紹介します。

(2013年10月28日 / 07時30分)

長編動画広告を使ってCTRを上げる

 

まずは、動画が開始から何%の部分まで視聴されたかを示す指標「コンプリーション・レート」を見てみましょう。感覚的には、動画の尺が短ければ、全体の中でより長く視聴され(コンプリーション・レートが高い)、逆に動画の尺が長いと、途中で飽きられてしまい、離脱されてしまいやすい(コンプリーション・レートが低い)と思われがちです。

 

しかし、実際の調査では、下記の棒グラフのように、動画の尺とコンプリーション・レートの間には相関関係が見られず、広告の尺が短いからと言ってコンプリーション・レートが高い(=より長く見てもらえる)とは限らないことがわかりました。すなわち、動画尺はコンプリーション・レートに影響を与えないということです。

 

 

▼動画尺別 CTRとコンプリーション・レート

 

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[凡例] 棒グラフ:コンプリーション・レート、折れ線グラフ:CTR 

 

 

その一方で、動画尺とCTRには相関関係があるように見て取れます。

 

1分以上の動画はCTRも尺と共に(30分~60分を除き)伸びていることがわかります。更に、60分超の動画に関してはCTRが2.2%近いという結果になりました。

 

前段でご紹介したように、動画の尺とコンプリーション・レートは相関関係を持たないので、視聴者を惹きつける動画の内容であれば、尺が長いことはCTRの障害になるどころか更なる興味を喚起し次のアクションへと繋げる大切な役割を果たしているようです。

 

 

配信プレイヤーサイズを大きくして、長く視聴される動画広告に

 

また、今回のレポートでは動画の長さにおけるパフォーマンスの違いよりも、動画広告の大きさが広告のパフォーマンスを左右することが明らかになりました。

 

動画尺の違いでは影響の出なかったコンプリーション・レートですが、動画広告のプレイヤーサイズが大きいほど高く、比較的長く視聴されることがわかりました。

 

 

▼配信プレイヤーサイズ別 CTRとコンプリーション・レート 

 

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[凡例] 棒グラフ:コンプリーション・レート、折れ線グラフ:CTR

 

 

具体的には、800ピクセル以上のプレイヤー(グラフ:X-Large)のコンプリーション・レートが93%だったのに対し、300ピクセル以下のプレイヤー(グラフ:X-Small)は66%という結果が得られました。

 

またCTRも、(動画尺がCTRに及ぼす影響ほど高くはありませんが、)動画広告のサイズが大きくなるにつれて高くなるようです。

 

 

米国では400~799ピクセルの配信プレイヤーの活用が8割。

 実際に、現在、米国内の動画広告の77%が400~799ピクセルサイズであることから、各企業はこのサイズが最も有効であることを理解し、活用している様子がうかがえます。

 

 

▼米国内における動画広告サイズ別シェア

 

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動画広告がますます人気を博していく中、やみくもに動画を作るのではなく、これまで見てきたような、動画の尺や大きさをベースとしたパフォーマンス基準をよく理解し取り組むことが今後はますます重要になっていくことでしょう。

 

 

 [参考]

VideoHub "Video Insights Report" August 2013