同社は動画サービスをどのように拡大し、それによって動画広告の販売スペースをどのように増やしていくかを検討している。動画広告は標準的なグラフィック広告よりも往々にして利益が大きい。同社は昨年、仏動画共有サイト、デイリーモーションと米動画配信サイト、Hulu(フールー)の買収を試みたが、断念した。
ではメイヤー氏は今度は何をするつもりなのか。
メイヤー氏は、バラエティー番組「サタデー・ナイト・ライブ」のような契約をもっと増やす可能性があると話した。ヤフーは同番組の過去38年分のコンテンツのライセンスを取得し、今秋から同社サイトで配信する予定だ。
動画サービスは、「多くの企業が共存できる余地があり、動画サービスの決め手はやはりコンテンツだと考えている」とメイヤー氏は述べた。
また、動画配信サイト「Yahoo! Screen」向けのオリジナルコンテンツの制作にも引き続き投資していく方針も明らかにした。そのようなコンテンツの一例が、恋愛ドラマシリーズ「Burning Love」だ。
しかし、ヤフーはテクノロジー企業であり、メイヤー氏としては、動画コンテンツの制作に力を入れるよりも、それを視聴するための「プラットフォーム」になることを目指している(デイリーモーションに関心を示しているのもそれが理由だ。ただし、同社は関心があることを一度も認めていない)。メイヤー氏は、個人ユーザーが作成した「かなりの量の動画を保持できる」と考えていると述べた。つまり、米インターネット検索大手グーグル傘下の動画投稿サイト、ユーチューブが普及させたのと同様のモデルだ。
さらに、ヤフー傘下の写真共有サイト「フリッカー」では3分の動画を投稿できることや、最近買収したブログサービス「タンブラー」にもそのような動画がたくさんあることを強調した。
ユーザー制作のコンテンツについては問題がある。広告主があまり興味を持っていないことだ。
ユーチューブが近年、ビデオ制作者に資金を提供し、投稿動画よりも高品質の作品作りに力を入れているのもそれが理由だ。一部広告主によると、ユーチューブに投稿された大半の動画の1000ビュー当たりの広告料はわずか1-2ドルだという。
メイヤー氏は、フールーや米テレビ局のABCニュースやCNBCと交わしているようなコンテンツ提携契約を今後も増やしていくと述べた。ヤフーは契約に基づき、それら企業が制作または配信している動画を視聴者が見られるように掲載し、それらコンテンツに関連付けられた動画広告の売上高の一部を受け取っている。
「コンテンツのごく一部はわれわれのオリジナル番組になるが、大半はパートナーシップを通じて得たものになるだろう」とメイヤー氏はウェブキャストで述べた。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324802804578610840380361854.html