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日活撮影所で「嵐を呼ぶ男」のメイキング見学が19歳の映像修業の初体験でした。

■時代を読んだ企業ほどソーシャルビジネスを始めている 〜SonyとPanasonicが凋落する時代>それは、自社の利益を守ることを、顧客(=市民)のニーズを考えることより優先してしまったからだ。


Panasonicが、2年連続で7000億円の赤字を発表した。

 新社長は「普通の会社に戻ること」を掲げたが、その「普通の会社」の意図するところは「収益を上げること」だった。

 一見、普通の言葉のように見えるが、ここには危機感がない。

 安さ競争に負けて業者が半減してから目が覚めた今治タオルのように、「中国の安いタオルと競争するか、それとも高品質な世界ブランドに育てるか」という問題に向き合い、後者を選ぶことで業界全体を変えていくという意志が、今のPanasonicには片鱗も見られない。

 本当に「食えない」という切実さがあっても、大企業は会社ごと売り飛ばすか、リストラで縮小して、あとは社長としては退陣すれば良いという甘えがないとはいえない。

 今治タオルは、職人を抱える中小企業だったからこそ、仲間が次々に廃業する姿を見て、奮起した。

 しかし、大企業にはそうした「目に見えるコミュニケーション」の中で危機感を共有していくパートナーシップを築くのが難しい。

 もちろん、ジョブズのように「うちはイノベーションに絶対の自信があるから、ビルよ、アップルの建て直しに金くれよ」とマイクロソフトに声をかける人材も、Panasonicにはもういないだろう。

 NHKの「メイドインジャパン 逆襲のシナリオ」を見ただろうか?

 あの番組では、「ウォークマンを出せたSonyはハードウェアメーカーだったからソフトウェアメーカーを自認していたアップルのiPodを作れなかった」とか、「日本らしい縦割りの企業文化がコミュニケーション不足を生み出したから』とか、いかにもな反省論が展開された。

 「自社グループにレコード会社を抱えていたから著作権保護にこだわりすぎていた」とか、「オリジナルの記憶媒体であるMDがジョブズに『失敗するよ』と笑われていた」とか、もう、いかにもな理由が述べられていくのだ。

 しかし、決定的にSonyが負けたのは、そこではないだろう。
 もっとシンプルなことだ。

 それは、自社の利益を守ることを、顧客(=市民)のニーズを考えることより優先してしまったからだ。

 MDのような新しい記憶媒体を作れば、オリジナルだから顧客はついてくるだろうというのは、驕りである。

 現在の51歳のSonyの社長は、社員の意識を変えていこうと考えているそうだが、他人の意識を変えることほど労力と時間を要する作業はない。

 むしろ、自分自身を変えるほうが早い。

 Sonyはリストラで優秀な人材を中国や韓国の企業に放出してしまったのに、いまだにSonyの良い部分でのDNAを引き継いでいけると考えているのだろうか?
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